ローラント・パリス【ドイツ】 「Pierrot's Longing」 ピエロ像

ドイツ、アール・デコを代表するデザイナー、ローラント・パリス(Roland Paris、ローランド・パリス)の作品です。

ローラント・パリスの得意としたピエロ像(磁器)です。
ローラント・パリスの特徴は、単なるアール・デコの表現や写実的な人形ではなく、人間の内面性、政治的な風刺など主題を持って作られているところにあります。グロテスクやカリカチュア,マッカリーな表現を得意としていました。
このピエロ像は「Pierrot's Longing」(Longingは憧れや切望などの意)という作品で、ピエロが全身でその思いを表現しているデザインです。今にも立ち上がりそうな座り具合、気持ちを伝える顔の角度、懸命に伸ばす指先の表現など、滑稽ですがその真剣で豊かな表現はローラント・パリスらしさがあり、どこか哀愁のある複雑な感情が伝わります。特にピエロという立場を鑑みると、その思いはより深みを増します。
ピエロというと、ピエロは日本では赤鼻で派手な衣装ですが(クラウンなどとごちゃごちゃになっており、日本でピエロと呼ばれているイメージは実際はピエロではない)、本来のピエロはこの像のような白塗りの顔に白色のシンプルな衣装(無実や死の意)であり、一般的なイメージとは全く異なります。その役割も日本ではおどけ役で人を笑わせるようなイメージがありますが(最近ではその風貌から恐怖感の象徴にも)、笑われることで悲しみを増す「悲しさ」の象徴です。19世紀のフランスでは、ピエロは愚か者ではなく、ブルジョワの世界において、居場所を失い苦しむ人々を表現する存在として描かれることもありました。19世紀末から20世紀初頭は、孤立した芸術家が自身を表すものとしてピエロを用いました。
当然、このピエロもただの滑稽で奇妙な姿をしているわけではなく、そこに悲しみを持たせたグロテスク的な表現をしています。グロテスクは風刺的な意味合いで、滑稽でありながら見る人に悲しみや痛みなど自分の思いを伝える芸術的手段で、ドイツで1920年代から第一世界大戦まで様々な形で流行し、ダンサーのヴァレスカ・ゲルトはポーズによってグロテスクを表現するなどし、作家トーマス・マンはグロテスクを「genuine antibourgeois style」(本物のアンチ・ブルジョワ様式)と表現しました。このようなアール・デコのピエロ像もローラント・パリスにとっては単なるデコの表現ではなく、意味を持たせた作品として仕上がっています。

『Roland Paris Art Deco's Jester King』(Alberto Shayo、2016)P.89掲載。

【ローラント・パリス / Roland Paris】
1894年、芸術家の一族としてウィーンに生まれる。ワイマール応用美術学校で学び、非凡な才能を見せた。1915年に第一次世界大戦のため従軍、終戦後の1919年にベルリンに移り結婚した。芸術活動を再開し、会社を設立した。彫刻や風刺漫画で活躍し、芸術家として成功を収めた。単なるアール・デコの様式ではなく、社会的・人間的な内面性を持ち、道化師や悪魔をモチーフにし、それらを通じて社会的敗北者などのカリカチュア、グロテスク表現に傾倒した。しかし1943年には第二次世界大戦に従軍することになり、1945年、終戦3日前の空襲により戦死となった。


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年代1920年代
刻印Roland Paris,工房の刻印(恐らくHeubachの窯印)
状態コンディションb良好(経年の小傷多少あり)
サイズ高さ 24cm 指先から台座後部まで 29cm

※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。



Roland Paris

ドイツ、アール・デコを代表するデザイナー、ローラント・パリスの作品。絶妙なバランスの取れた美しいピエロ像です。



日本ではピエロとクラウンがごっちゃになっていますが、本来のピエロはこのような白色の衣装をしています。無実や死を表すその白は、悲しみを持ち、あらゆる時代で社会的風刺の意味合いをもつ存在としても表現されてきました。

ピエロ2

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ローラント・パリス【ドイツ】 「Pierrot's Longing」 ピエロ像

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