アール・ヌーヴォーからアール・デコにかけて家具分野で特に評価が高いマジョレル(Majorelle)のカタログです。
マジョレルはナンシー派の中心人物として、家具を中心にアール・ヌーヴォーを牽引しました。家具のイメージが強いですが、リテイラー(小売店)としての役割も非常に大きいものがありました。このカタログはリテイラーとしてのマジョレルがよくわかるカタログで、陶磁器、銀器、ガラス、ランプ、家具、ブロンズなど様々な製品が取り扱われていたことがわかります。もちろんマジョレルがすべて制作していたわけではなく、様々な工房の製品が取り扱われていました。有名どころではドーム兄弟のガラスで、このカタログにもドーム兄弟のDucalシリーズなど比較的初期のテーブルウェアが掲載されています(ドームの名前は出されていません)。マジョレルはもともと父親がファイアンスと家具の工場を経営しておりましたので、ファイアンスと家具についてはマジョレルの工房で制作されたもの、もしくは制作に深くかかわっているものと思われます。また、当時流行し始めたランプがかなり多く掲載されています。
様式としてはまだアール・ヌーヴォーが本格的に流行する前のカタログで、ロココ様式やジャポニスムの製品などが見られます(マジョレルはもともとロココ様式を扱っていました)。比較的初期のカタログで、非常に貴重なカタログです。
ジャンル | 陶磁器、ガラス、銀器、ランプ、ブロンズ、家具など |
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年代 | 1890年前後 |
カラー | 白黒(ごく一部カラー) |
ページ数 | 118ページ(後半抜けているページがありますが、これは出版段階での変更によるものと思われます) |
言語 | フランス語 |
ファイル形式 | PDF(25MB) |