アンティーク・コールポートのカップ&ソーサー。
非常に美しい金彩装飾、そしてライラックカラーの印象的なアラベスク文様のお品です。1850年代頃、18世紀セーブルへ傾倒がイギリスでは流行し、優れた技術とともにセーヴルスタイルのお品が作られました。その代表的なメーカーがミントンや、コープランド、コールポートなどでした。
このカップもフレンチスタイルとなっていますが、セーヴルの忠実な再現というよりは、フレンチの技術やデザインをイギリス的に落とし込んだ作品に仕上がっております。
アラベスクの文様は1780年代〜1790年代にフランスで流行し、セーヴル窯をはじめフランスの窯でも流行しました(「アラベスク」は「アラビア風」という意味で一般的にはイスラム文様を指ますが、ルネサンスなど絡み合う植物と抽象的な曲線モチーフを特徴とする装飾スタイル全般のこともそう呼ばれます(西洋アラベスク))。
このカップもそのようなフランスを意識しているため、アラベスクの定番であるヤプラック(葉)を題材に装飾されております。ライラックの色合いが美しい装飾です。下地は転写も利用されています。
金彩は大変素晴らしく、手彩で細やかなに描かれております。部分的に磨きて艶をだすことにより模様を付けるバニシング装飾が施されているあたりも、イギリスでは珍しい装飾で、この技術を使用していた工房は限られます。
年代/PERIOD | 1850年〜1860年頃 |
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刻印 /MARK | 窯印なし(ソーサー高台縁にペインターサイン、素地にアルファベットの陰刻あり) |
状態/CONDITION | 良好(製造時のムラ、経年のスレ多少あり) |
サイズ/SIZE | カップ直径 7.7cm 高さ 5.2m ソーサー直径 14.1cm |