ナチス・ドイツの軍トップであり、ヒトラーの後継者とされた元帥ヘルマン・ゲーリング(Hermann Göring)のために製造したグラス(もちろんオリジナル)。
美術品収集家として知られたゲーリングは第二次世界大戦下、セーヴルやバカラ、ピュイフォルカなどにテーブルサービスを注文しました(特にフランス陥落後)。大戦後、これらゲーリングのコレクションを含む美術品や食器はフランス国家によって回収され、MNR(Musées Nationaux Récupération)として各所に保管・調査され、20世紀の戦争における社会的意義の重要さから現在でも頻繁に展覧会などが開かれています。
このグラスは1943年頃(恐らくゲーリングの50歳記念のサービス)製造され、これと同じグラスも大戦後、フランス政府によって回収され、調査後、セーブル国立陶磁器美術館にて現在も所蔵されています。
このグラスがいつ流出したかは不明ですが、ウィキペディア仏語版の「バカラ」にこのゲーリングのサービスについて言及されており、大戦後フランス軍人フィリップ・ルクレールに渡されたとあります(ただし論拠は書かれておらず、フランス文化省にもその点は見つからず)。
参考文献&来歴 / Bibliography & Provenance
・Sèvres sous l’occupation allemande (1940–1944), les commandes de Hermann Goering(『Sèvres. Revue de la Société des Amis du musée national de Céramique』2015)
