ティル通り(Rue Thiroux)にあった工房。1776年、アンドレ・アリー・レベフ(Andre Marie Lebeuf)により開窯。1784年に色絵の生産を許可された窯の1つ。マリー・アントワネットの庇護を受け、1778年より「女王の工房(manufacture de la reine、Queen)」と称した。1784年、レベフがGuyに売却。GuyはHouselと協力する(Guyは1798年死去)。1803年に公売にかけられ、1804年に閉鎖となった。

詳しい解説

ラ・レーヌの装飾は、花の細い線や小さな文様を整然と配置する精密さに特徴があります。書籍は、その仕上げが印刷を思わせるほど細かいと評していますが、この比喩だけから、転写技法の使用を確定することはできません。器形の選択も幅広く、王冠を添えた「A」など複数の印が紹介されています。

図版では「A」の字体と王冠の形に複数の変化が見られます。王室に関わる頭文字や王冠は別の工房にも使われるので、図柄だけで判断せず、文字形、彩色、金彩、器形を一緒に比較することが大切です。印の種類と、素地の製造者・絵付けの担当者を結び付ける際は、個々の作品の記録も確認する必要があります。

詳しい解説の出典
  • Geneviève Le Duc et Henri Curtil『Marques et signatures de la porcelaine française』、Éditions Charles Massin、印刷126–127頁