ジャコブ・プティ:一対の花瓶
代表作品一対の花瓶ジャコブ・プティ制作年代:ca. 1834–40The Metropolitan Museum of Art
作品番号:94.4.228, .229
Gift of Henry G. Marquand, 1894
Public Domain / CC0 · 所蔵品記録

1796年、パリで生まれる。本名はジャコブ・マルドシェ(Jacob Mardoch?・e)。ヨーロッパを旅し、セーヴルで働き磁器製造を学ぶ。その後1830年頃(1833年とも)にフォンテーヌブロー窯を買収し、製造を始める。また、ボンディ通りに工房も持っていた。同時期の1830年に装飾図案文様集を出版するなど、デザインに非常に精通していた。立体的で豪華な装飾性に優れた作品を生み出し、特に花瓶や水差し、人形など装飾品を得意とし、当時のフランス磁器界に新しい風を吹き込み、人気を博した。1868年死去。プティの作品はルーヴル美術館など各国の美術館に所蔵されている。

詳しい解説

ジャコブ・プティの作品は、ロマン主義やロココを思わせる自由な器形と、多彩な色を使う立体的な装飾が特徴です。書籍は時計、インク壺、鳥をかたどった品などを挙げ、ロカイユの曲線や装飾を豊富に加えた作風を説明しています。実用の器でも、形そのものを室内の飾りとして楽しむ構成になっています。

表面には花を浮き出させて付けたり、単色の地を小さな盛り上がった飾りで彩ったりする工夫が見られます。単色の面、立体の花、多色絵付け、金彩を組み合わせることで、強い装飾性を作り出しました。印の図版には「JP」の文字や、交差する線・矢と組み合わせた形が紹介されています。頭文字だけで判断せず、器形と貼り付け装飾、彩色の組み合わせを併せて比べることが大切です。

詳しい解説の出典
  • Geneviève Le Duc et Henri Curtil『Marques et signatures de la porcelaine française』、Éditions Charles Massin、印刷38、40頁