18世紀からセーヴルの影響を受け、多くの工房ができた。パリ窯とは特定の窯の名前ではなく、パリやその近辺にあった工房をまとめてパリ窯と呼ばれることが多い。というのも、古いパリ窯の作品は窯印がないことが多く、まとめてパリ窯(Vieux Parisと呼ばれるようになった。ただし、ナストやダゴティのように古いパリ窯は非常に高い評価を得ている窯もいくつかあり、イギリスやドイツなどの窯への影響もかなり与えており、一概にパリ窯とまとめる傾向はあまりよくないといえる。出来の良し悪しは様々で、セーヴル同等の評価を受ける窯もあり高値で取引される一方、セーヴルの偽物(特に19世紀半ば以降)も多く作られた事実もある。
詳しい解説
パリ磁器を調べるうえで重要なのは、素地を焼いた製陶所と、白磁を仕入れて装飾した絵付け工房を区別することです。書籍は工房を通りごとに整理し、食器や花瓶を一貫して製造する工場のほか、店の裏に絵付け場を置いた小規模な事業も紹介しています。白磁はリモージュなどから供給され、販売店、絵付け師、製造者の名前が同じ作品に関わる場合がありました。
花や鳥、昆虫、風景、人物を描いた器から、金彩の装飾品まで、形や作風は多様です。絵付け師が工房間を移動したため、署名だけでは特定の窯に結び付けにくい例もあります。無印の作品を含む「ヴュー・パリ」を一つの均一な様式と考えるより、素地、器形、彩色、金彩、署名や住所を組み合わせて比較すると、それぞれの工房の違いが見えてきます。
詳しい解説の出典
- Geneviève Le Duc et Henri Curtil『Marques et signatures de la porcelaine française』、Éditions Charles Massin、印刷96–97、127頁