フォブール=サン=ドニ通りの窯。1779年、ルイ16世の弟でのちシャルル10世になるアルトワ伯に庇護されたため「アルトワ伯工房(Comte d’Artois)」と称した。1784年に色絵の生産を許可された窯の1つ。アノン(Pierre Antoine Hannong)により開業という説が有力であったが、実はこれは違う工房であると現在では考えられている(住所が5と26異なる)。アノンは中国磁器に長けた人物で1773年の新聞にその能力が公表されたが、1780年には閉鎖となっている。

詳しい解説

書籍のフォブール=サン=ドニ通りの項には、アルトワ伯シャルル=フィリップの頭文字「CP」に王冠を添えた印が掲載されています。頭文字や王冠は保護関係を示す手がかりですが、その図柄だけで製造者や素地の産地まで確定するものではありません。

同じ通りには複数の事業があったため、住所や署名を省略せず確認することが、同名や近接した工房を混同しないための手がかりになります。本書のこの項は複数の工房をまとめて記述しているため、製品の種類や作風をアルトワ伯の工房だけに帰属させることは避け、個々の作品の記録と照合する必要があります。

詳しい解説の出典
  • Geneviève Le Duc et Henri Curtil『Marques et signatures de la porcelaine française』、Éditions Charles Massin、印刷109–110頁