シャンティイ:鶴を描いたティーポット
代表作品鶴を描いたティーポットシャンティイ制作年代:ca. 1735–40The Metropolitan Museum of Art
作品番号:50.211.120a, b
Gift of R. Thornton Wilson, in memory of Florence Ellsworth Wilson, 1950
Public Domain / CC0 · 所蔵品記録

東洋磁器に熱中していたルイ4世アンリ・ド・ブルボン=コンデによって設立。サン・クルー窯で磁器を勉強したシケール・シルー(Cicaire Cirou)を招聘し、磁器製造の勅許を与え、軟質磁器の製造を始めた。極秘の軟質磁器の手法により、日本や中国の磁器、特に濁手の柿右衛門様式の精巧な写しを製造した。この品質は非常に高く、マイセンを凌ぐほどで非常に高い評価を得ていた。初期の頃から働いていたデュボワ兄弟(Robert & Gilles Dubois)はこの極秘の製法を盗み出し、王室主導の下ヴァンセンヌ窯が設立した(のちのセーヴル)。ヴァンセンヌ窯が発展すると逆にその技術者を取り入れ、ロココのデザインなどを制作した。その後はシンプルな染付など簡素なデザインとなっていった。1792年、英国人のクリストファー・ポッター(Christopher Potter)に譲渡した。

詳しい解説

初期のシャンティイを特徴づけるのは、乳白色の地に色絵を配した軟質磁器です。本書は、当初の錫を含む白い釉が、のちに透明感のある釉へ移ったと説明しています。白い余白を生かした柿右衛門風の花・鳥・東洋人物だけでなく、花綱やヨーロッパ風の花、自然な姿を描く花文様へと装飾の幅が広がりました。食器や茶器に加え、装飾用の小物や小像も制作しています。

絵付けの図案には、ジャン=アントワーヌ・フレッスの版画集も利用されました。日本磁器をそのまま写す場合だけでなく、器形や図案を組み合わせて独自の構成にする点にも、この窯の創意が見られます。

代表的な印は狩猟用のホルンで、赤と青の実例が博物館に残っています。字母や人名を伴うものもあり、形だけで制作時期を決めることはできません。本書が紹介する後年の同名工房は他産地の白磁に旧様式の絵付けを行い、木を添えたホルン印を用いたと説明されています。十八世紀の製品と、後年の再制作を区別して見る必要があります。

詳しい解説の出典