1767年頃、ピエール・ドリュエルにより開窯。1775年、プロヴァンス伯ルイ・スタニスラス・グザヴィエ(ルイ16世の弟、のちルイ18世)の庇護を受け「王弟殿下(ムッシュー)の工房」と称し、そのイニシャル「LSX」のモノグラムを窯印に使用。1784年に色絵の生産を許可された窯の1つであるが、それ以前から多色の彩色を使用している。セーヴルと競い合った工房で、技術の高い製品を制作した。フランス革命が勃発すると、1790年に Alexandre Moitteに譲渡。1799年廃窯。その後復活の試みもあったが失敗し、建物の一部は現在にも残る。

詳しい解説

クリニャンクールの製品には、食器のサービス、花瓶、カップ、受け皿、ティーポットなどがあり、形と装飾の双方を整えた磁器として紹介されています。書籍は絵付け師ジョルジュ・ランプレヒトにも触れ、褐色系の濃淡による単色画を特徴の一つに挙げています。多色の華やかさとは別に、色数を抑えた絵付けで場面や輪郭を表す作例も比較の対象になります。

印には風車を描いたもの、王冠を添えた「M」、筆記体の「Moitte」、王族の頭文字を組み合わせた銘などが掲載されています。風車も単純な線の形から建物全体を描く形まで変化があるため、図柄の一致だけでは活動の時期を絞れません。工房名や人物の署名を含む印があれば全文を読み、素地、彩色、金彩、器形とともに比べることが、工房の特徴を見分ける手がかりになります。

詳しい解説の出典
  • Geneviève Le Duc et Henri Curtil『Marques et signatures de la porcelaine française』、Éditions Charles Massin、印刷104–106頁