フランスの銀工房は非常に多くありましたが、そのほとんどは現在なくなってしまっております。そこで19世紀末、当時本当に実力があった工房をご紹介いたします。今回参考にするのは1889年パリ万国博覧会のレポートです。 当時の万博は非常に重要なものですべての会社がその社運をかけて挑んでいたイベントです。 特に工芸品は万博出品されたものだと非常に高価なものになります。

【1889年パリ万国博覧会 オルフェーブル(銀工房テーブル&トワレットアイテム部門&金銀工房芸術部門をメインに)】
★印は金銀工房芸術部門、それ以外は銀工房テーブル&トワレットアイテム部門。ただし一部双方で受賞している工房多数あり。

審査対象外 : Poussielgue-Rusand(フランス)※審査員長のため ★

        Gustave E. Odiot (フランス)※審査員のため

        Bapst et Falize(Maison Bapst、フランス)※審査員のため ★

        Gustabe Sandoz(フランス ※審査員のため ★

グランプリ : Christofle et Cie (フランス)

        Tiffany & Co (アメリカ)★

        Armand-Calliat(フランス)★

        Emile Froment-Meurice(フランス)

        Faniere Freres(auguste&Joseph)(フランス)

        Boin-Taburet(フランス)

金賞    : Boin-Taburet(フランス)★

        Fraget(フランス)

        Gorham Manufacturing Co(アメリカ)

        Bossard(スイス)★

        Comite de Siam(シャム)★

        Tetard(フランス)

        Fray(フランス)

         Vernaz et Vernaz-Vechte(フランス)★

        Ovtschinnikoff(ロシア)★

        Bachelet(フランス)★

        Alphonse Debain(フランス)

         Christensen(デンマーク)★

        Khlebnikoff fils et Cie(ロシア)★

        Dufresne de Saint-Leon(フランス)★

        Meriden Britannia Co(アメリカ)★

        Jules Brateau(フランス)★

        Georges Bachelet(フランス)

        Andre Aucoc(フランス)

銀賞    : Boucheron(フランス)

        Olsen(ノルウェー)★

        Ernest Cardeilhac(フランス)

        Philippi(フランス)★

        Eugene Michaut(フランス)

        Louis Leroy et Cie(フランス)

        Hertz(デンマーク)★

        Hermann Bohm(オーストリア=ハンガリー)

        Boulenger(フランス)※シルバープレート部門

        Tallois et Mayence(フランス)

 
        Saito(日本)★

        Wilmotte fils(ベルギー)

        Cailar,Bayard et Cie(フランス)★

        Accarisi(イタリア)★

        Brunet(フランス)★

        Henriquez Fonsequa(ポルトガル)★

        Kiriukosho-Kaisha(日本)★← 起立工商会社

        Charles Merite(フランス)

        Keller Freres(フランス)

        Gerritsen(オランダ)★

        Tallois et Mayence(フランス)★

銅賞    : Victor Boivin(フランス)

        Pierre Gabard(フランス)

        Gustave Guerchet(フランス)

        Andersen(ノルウェー)★

        Link(オーストリア=ハンガリー)★

        Bucher(スイス)★

        Dixon and Sons(イギリス)★

        Kates(エジプト)★

        Goldsmiths & Silversmith(イギリス)★

        Le Docteur Camus(フランス)★

        Georges Useldinger(フランス)★

        Eugene Joret Fils(フランス)★

        Leon Maison(フランス)★

       など

選外佳作賞 : Leon Lambert(フランス)

        Laforge(フランス)★

        Ardeshir et Byramji(イギリス)★

        Bitetos(ポルトガル)★

        Liacopoulos(ギリシャ)★

        Ropola(ルーマニア)★

        Yong-Heng(中国)★

        Parker(イギリス)★

               など

このような感じです。有名どころをつまんでみてみると、オディオはさすがに審査委員ですね。審査員長のPoussielgue-Rusandは金細工職人です。審査員はさすがに皆さん大物です。 そして栄えあるグランプリはクリストフルが各部門で受賞しています(銀部門、シルバープレート部門、芸術部門)。現代まで続く大きなメゾンですね。ジュエラーで有名なフロマン=モーリスの工房もグランプリ。ティファニーもありますね。 金賞にはDebainやTetardなどさすがに有名どころがあります。アメリカのゴーハムも。 カルディヤックが銀賞なのは意外ですが、ご安心ください。カルディヤックは他部門でもっと良い賞を受賞しています。銀賞には日本も2組受賞しています。 銅賞になるともう当店でも馴染みのブランドが多くありますね。そしてやっとイギリスの工房が入ってきます(審査員がフランス人なので仕方がない?)。ディクソンとゴールドスミス&シルバースミスは両方とも有名な工房です。ゴールドスミス&シルバースミスはこの後の1900年パリ万博でイギリスの工房として初めてグランプリを受賞することになります。マッピン&ウェッブが活躍するのは20世紀に入ってからですね。 また、ピュイフォルカの名前はありません。