出典:クリーブランド美術館

オペークツイストグラス

 1750年代~1770年代
白色のガラスがツイスト状にステムに入れらている。もともとはヴェネチアンガラスの影響を受けたもの。

17世紀末にイギリスでは鉛を使用したクリスタルガラスが発明され、様々なガラスが製造された。特にバラスターステムやツイストステムなどのグラスは特徴的で、ジャコバイトグラスのように政治的な意味合いを持つグラスも製造された。19世紀末になるとカットガラスが流行しスタイルが一変した。ステムやフット、ボウルなどの形に一定の特徴があり、ツイストグラスやカットガラスなどは大陸や江戸時代の日本でも真似されて制作された。

出典:『CHELSEA PORCELAIN』(William King of the V&A museum,1922年)

チェルシー窯 柿右衛門写 1750年代

日本の磁器である柿右衛門様式の写し。初期のころはこのように東洋磁器の影響が強くみられる。

17世紀、フランスから逃れてきたユグノーの銀器職人はイギリスの銀器を大きく変わった。加えて、東洋からもたらされた茶の流行と相まって、イギリス銀器は18世紀に大きく発展。1739年にはプレート法が施行され、銀器の刻印もより明確に厳しく定まった。特に茶に関わる銀器は非常に発展し、大きなティーキャディーボックスやモートスプーンなどこの時代独特の銀器が製造された。スプーンにおけるオールドイングリッシュやキングスパターンなど現代まで続くスタイルが誕生したのもジョージアンである。また、バーミンガムのマシュー・ボールトンは、バーミンガムでの銀器の発展を支えただけでなく、産業革命に大きな影響をもたらした。

古代、ダイヤモンドの産地はインドであったが、1730年代ブラジルが産地として登場した。ブラジル産ダイヤモンドは当時としては莫大な量であり、オランダのアムステルダムやアントワープに加工工場が設立されし、ダイヤモンドの産業化が始まった。当時はバラのつぼみのような形をしたローズカットが一般的でオールド・マイン・カットといったカットもあった。18世紀末ごろからは、昼間と夜の服飾を区別することが重要視され、愛情や友情などを表現するセンチメンタルジュエリーを昼間につけることも流行した。宝石の頭文字を使って「Dearest」や「Regard」などの言葉を表現したジュエリーもある。また、18世紀末になると新古典主義の影響もあり、カメオも流行した。高級なストーンカメオをはじめ、シェルやラーバ(ヴェスビオ火山の溶岩)カメオも流行した。

出典:メトロポリタン美術館

リング 1760年代頃
ローズカットのダイヤモンドがクローズドバックセンッティングによって配置されたリング。

ジョージアンの時代は様々な工芸が大きく発展し、また王族貴族もその発展を惜しまず後押しした。次のヴィクトリアンの工芸はジョージアンに誕生した様々な様式がもとになっているものが多く、後世へと続くデザインの基礎が確立された時代でもある。ジョージアンのアンティーク全般にいえることは、この時代のオリジナリティがあり、手作業による細やかで丁寧なつくりが全体的に多くみられることである。

【参考文献】
『英国グラスの開花―チャールズ2世からジョージ4世まで』(村田育代、六耀社、2005年)

『世界ガラス美術全集 2 ヨーロッパ』(由水常雄、求龍堂、1992年)

『アンティークジュエリー』(別冊太陽骨董をたのしむ21、1998年)

『ジュエリーの世界史』(山口遼、新潮文庫、2016年)

『ANTIQUE SILVER』

『CHELSEA PORCELAIN』(William King of the V&A museum,1922年)

『Eighteenth Century English DRINKING GLASSES』(L.M.Bickerton、1971年)

『HALL-MARKS ON GOLD AND SILVER PLATE』W.Chaffers&C.A.MARKHAM(10版、1922年)

『The Dictionary of WORCESTER PORCELAIN VOlume1 1751-1851』(John Sandon、1993年)