出典:クリーブランド美術館

セーヴル チュリーン 1757年
いわゆるポンパドゥールピンクと呼ばれる色合い。ロココの影響が強くみられ、このスタイルは19世紀以降も定番となり、磁器はもちろんファイアンスでも多く見られる。

【その他代表的な工房】
・サン・クルー、シャンティイ、コント・ダルトワ、ディールなど

東洋からもたらされた磁器はフランス貴族も熱狂させた。ルイ4世アンリ・ド・ブルボン=コンデはシャンティイ窯を設立し、軟質磁器を製造させた。初期の頃から働いていたデュボワ兄弟はこの極秘の製法を盗み出し、王室主導の下、1738年にヴァンセンヌ窯が設立し、1756年にポンパドール夫人の庇護の下セーヴルへと移転し、その後王立セーヴル製陶所となった。当初はマイセンの模倣を目的としてたため、マイセン写しが多かったが、そのずば抜けたセンスと技術により、非常に優れた磁器を製造した。セーヴルのデザインはヨーロッパ各地の磁器製造にも影響を与え、エキゾチックバードやロココの花絵など、ヨーロッパ磁器流行の中心となった。また、セーヴルには独占権が与えられており、他のパリの窯は規制を受け、存続と発展のために王族貴族に庇護を求めた。、マリー・アントワネットが庇護したクイーン窯、ルイ16世弟のプロヴァンス伯が庇護したクリニャンクール窯など、各王族・貴族はそれぞれに庇護する窯をもち、こぞって磁器を生産させた。しかしそれもフランス革命によって状況は一変することになった。

出典:当店取扱品

王室紋章革ケース付グラス。


1759年頃のグラス。ファソン・ド・ボエムと呼ばれるボヘミア風デザインのグラス。旅行用で、フランス王室の紋章が入った革ケースが付属する。

出典:グリーブランド美術館

アルジャンタンレース 1700年代前半
ニードルレースの一種であるアルジャンダンレース。レゾー(グラウンド)が六角形なのが特徴。1700年代後半はアランソンとの区別はできなくなる。

【その他代表的なレース】
・ヴァランシエンヌ、ポワン・ド・スダンなど

700年代前半は生活水準の向上したこともあり、レースの需要が増し、一般市民もレースを使用するようになった。フランドルのレースが中心で、ニードルレースは少なかったが、その中でも王立製作所の本部であったアランソンとアルジャンタンのレースが中心地として栄えた。1700年代後半は逆にボビンレースよりニードルレースが中心となったが、服装の簡素化に伴い需要が激減していくこととなった。

ルイ15世初期のバロック・ロココ様式の家具はフランス・オルレアン公様式やレジャンス(摂政)様式と呼ばれている。その後完全なロココ様式(ルイ15世様式)となり、猫足(ガブリオール)を脚に用いたりするなど曲線的なデザインとなり、ロココのモチーフでもある貝やアカンサスの葉がデザインされた。このようなロココ様式のインテリアや家具は現在でも多く製造されており、その影響は多大であった。

出典:メトロポリタン美術館

デスクチェア 1760年頃
ロココの影響を受けた椅子。

この時代のフランス芸術といえば、やはりロココである。日本でも西洋らしいデザインというと、今でもロココをイメージする人は少なくない。一方、この時代の品物特に金銀細工などは数が少ない。それは、この後に起こるフランス革命や戦争などにより貴族が手放してしまったためで、この時期のフランスアンティークは同時期のイギリスアンティークに比べても圧倒的に残されている数が少ないことが特徴としてあげられる。

【参考文献】
『フランス王家3人の貴婦人の物語展』(TBS、2001年)

『Porcelain of Paris 1770-1850』(Walker and company、1972年)

『Les poinçons français d’Or, d’Argent et de Platine de 1275 à nos jours』(VIAL)

『PORCELAINE FRANCAISE DU XVIIIE,MOTIF&MARQUES』(Antoinette Fay-Halle、2011年)

『A Dictionary of Lace』(Pat Earnshaw、1982年)