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近代輸出薩摩焼の種類と窯印


幕末以降、欧米ではジャポニズムの影響で日本の工芸品は大変な人気がありました。その代表的なものが薩摩焼です。鹿児島はもちろん、東京、横浜、神戸、京都、大阪など輸出に関連深い都市に波及し、一大輸出産業となりました。錦光山や藪明山などの世界的に評価を得た人物が出てくる一方、その詳細が不明な銘も多くあります。ここでは幕末以降の輸出向け薩摩焼の工房をご紹介します。


※順次追加していきます。


デザイン

隙間なく全体に装飾を施すなど、煌びやかで欧米好みの装飾がされた。そのモチーフも花鳥、羅漢、人物風俗(武士、芸者など)、風景などいかにも日本的なデザインであった。藪明山など細密画によるものは特に評価が高い。


銘について

日本陶磁器が海外輸出を意識するようになったことで、欧米のように「製造元を示す銘」を付けることが普及した。そして輸出用に「大日本」という名前が多く使われることになった。「大日本帝国」の名は大日本帝国憲法以前の万延元年遣米施設(1860年)の条約交換証書にて「大日本帝国」と記されており、輸出磁器においてもほどなくして「大日本」という銘が使用されるようになっている。


本薩摩

鹿児島の薩摩焼にて製造されたもの。京薩摩などに比べ意外と不明な部分が多く、絵付けが他で行われているものが多く、本薩摩であることの特定も難しい。


・伊集院


・沈寿官

慶長年間に沈家がはじめた400年続く薩摩の名窯。十二代寿官は1873年(明治六年)にウィーン万博に出品し絶賛される。1900年パリ万博にて銅メダル受賞。素地を各地へ提供した。偽物も多い。


・玉山 / GYOKUZAN

玉山銘は本薩摩だけでなく、横浜薩摩など各地にみられる。


京薩摩

・雲山 / UNZAN

薩摩 雲山

詳細は不明だが、京都陶磁器合資会社の社章と一緒の銘から、京都陶磁器合資会社の絵師と推測される。※「安田」参照。



・桓山 / KANZAN

薩摩 桓山

・錦光山 / KINKOZAN


京薩摩 錦光山

輸出薩摩の代表格であり、長きに渡り製品を輸出した。六代錦光山宗兵衛は慶応年間より海外輸出、1884年に七代錦光山宗兵衛が継ぎ、1889年パリ万博では銀メダル、1900年パリ万博で金メダルを受賞している。大量に制作をし、粗悪品から高品質なものまで多く制作した(※5)。1930年に7代錦光山宗兵衛が死去すると、窯も閉窯となった。偽銘が多いので注意が必要。



・越田 / KOSHIDA

京薩摩 越田

京都市古門前に店を構え、明治から昭和初期、そして戦後にも活動していた。特にアメリカ向けに生産。



・祥山 / SHOZAN

越田の作品に銘ととして付けられているものがある。※5


・素山 / SOZAN

錦光山工房の絵付師。


・宝山 / HOUZAN

安田京都陶磁器合資会社の絵付師のひとり。


・安田 / YASUDA

薩摩 安田

粟田焼の安田源七(十五代)と弟の安田喜三郎によるものか。1889年パリ万博で銀メダル受賞。1896年(明治29年)に京都陶磁器合資会社を設立、多くの優れた絵付師を雇い生産、販売をしていた。独特なトレードマークも用いた。源七は1932年(昭和7年)死去。※1



・亮山 / RYOZAN


亮山 薩摩

安田家設立の京都陶磁器合資会社の絵付師。『安田』参照。「亮山造之」「亮山章」といった銘もある。




大阪薩摩

藪明山による薩摩焼。


・藪明山 / YABU MEIZAN

薩摩 藪明山細密画による斬新な構図を得意とし、輸出薩摩の中でも世界で評価が高い絵付け師である。明治13年に東京にて絵付けを行う(※2)。同年、大坂に陶器描画場をつくり、大阪にて製造し、輸出は明治18年頃から行われた。



横浜薩摩

神奈川の横浜にて製造されたもの。


・章山 / SYOZAN

薩摩 章山

保土田と並んだ銘が確認されていることから、横浜薩摩の保土田の絵付師と思われる。

※九谷にも章山銘はあるが時代が異なり、別の窯であると思われる。



・日光 / NIKKO

薩摩 日光加藤湖三郎による。1882年(明治15年)に横浜弁天通二丁目に店舗を構える。どちらかというと九谷の絵付けが多い。



・保土田 / HODODA

薩摩 保土田

横浜の商人である保土田太吉による。明治26年に開店。薩摩(特に沈寿官)より素地を仕入れ、絵付けをした。様々な絵付け師との銘がある。




その他の薩摩

その他の産地、産地不詳な薩摩焼のご紹介。


・精巧山 / SEIKOZAN


神戸薩摩として知られる。神戸に移る前は京都の安田家による京都陶磁器合資会社にて絵付けを行っていたとされる。


・緑山 / ROKUZAN


緑山

詳細不明だが、他にない構図など上手の作品が多い。※参考-『薩摩錦手』に緑山銘の作品が2点掲載。



輸出薩摩は資料が少なく、不明な部分も多くあります。参考文献によっても異見が多くみられ、推測な部分も含まれますので、あくまでも参考程度にご覧いただければと思います。


【参考文献】

・「五条坂の登り窯の変遷と元藤平陶芸所有の登り窯に関する文献紹介」中ノ堂一信(『元藤平陶芸登り窯の歴史的価値等調査研究 報告書』京都市、2015)※1
・『大日本 明治の美 横浜焼、東京焼 増補改訂版』田邊哲人(2011)※2
・『近代陶磁の至宝 オールドノリタケの歴史と背景』井谷善恵(2009)※3
・『MEIJI CERAMICS』Gisela Jahn(2004)
・『世界に翔けた幕末明治の薩摩(SATSUMA)焼』大森一夫(1998)※4
・『幕末明治の貿易陶磁 薩摩錦手』大森一夫(1993)
・『SATSUMA』Louis Lawrence(1991)※5

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