フランス、アール・ヌーヴォー期に活躍したルグラ(Legras)の作品です。
エナメル彩で小花が描かれたグラスです。
非常に小ぶりで可愛らしいデザインです。
ルグラの同タイプのお品でも、「carré」(キャレ、正方形の意)と呼ばれる、グラスの縁が正方形をした面白いデザインに定番のエナメル彩を施したグラスです。
珍しいのが、アンバーに見えますがこれはアンバーではなく黄色のガラスであるということです。アンバーやブルーは比較的多く作られていますが、黄色はそれらに比べると流通量が少ないです。
当時、このタイプのグラスは様々な色を選ぶことができました。クリア、ブルー、イエロー、アンバー、レッド、異色混合などが選べたことが当時のカタログにも掲載されています。色によって価格も異なりました。
リキュールグラスですが、調味料入れなどとしても人気のお品です。
1899年ルグラ公式カタログに同型のグラスが掲載。
【ルグラ / Legras】
フランソワ=テオドール・ルグラ(François-Théodore Legras)による工房。1839年に生まれたルグラは1864年サン・ドニガラス工場(La verrerie de la Plaine Saint-Denis)に雇われ、2年後には工場長となる。1873年には甥のシャルル・ルグラ(Charle),1878年には同じく甥のテオドール(Théodore)が職人として加わる。シャルルは1868年にパリ万博で金賞を受賞している。1883年社名をLegras&Cieとする。ただ名称はサン・ドニを引き継ぎVerrerie et Cristallerie de Saint-Denisとされた。実際にルグラ(Legras&Cie)のサインが使われるようになったのは1894年からである。ルグラは1888年にバルセロナ万博金賞、1889年と1900年のパリ万博でグランプリ、その後の万博では審査員を務めるなど評価は非常に高かった。F.T.ルグラは1889年にシュヴァリエ章、1906年にはフランス最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章を授与されている。
年代 | 1890年代〜1900年代 |
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刻印 | Legras |
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状態 | 良好 |
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サイズ | 高さ 3.5cm |
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※状態についてはコンディション(商品状態)についてをご覧ください。